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留学前にできる効果的な英語勉強は何か?

「留学前にできるだけ英語力を伸ばしたいんです。」

IELTSやTOEFLなどの資格指導をサポートしていると、目標達成できた受講生の方からこんなご相談をいただきます。

  • 留学初日からできるだけ躓きたくない。
  • 現地にできるだけ早く順応したい。
  • できる限り準備したい。

皆さん、このような気持ちが前提としてあり、それを解決する手段として英語勉強を継続するという決断をする方が多いようです。

個人的な考えになってしまいますが、私はせっかく合格できたのであればわざわざ英語試験の勉強をしなくてもいいのではないか、という風に思っています。

というのも、どれだけ事前に準備をしても、実際に海外に行った時にネイティブの話していることはほとんど理解できないからです。

今回の記事では、実際に海外にいく前に国内でできる効率的な英語学習方法について考察していこうと思います。

留学までにできる効果的な英語学習方法とは

このような考察をする時に大切なのは、最終的なゴールを元に必要な要素を分解していくことだと思います。

ゴールはもちろん「流暢に英語が話せる」という状態ですよね。しかし、これだけだとリスニングの要素が含まれていないので、もう少し具体性を高めてみましょう。

「海外で問題なく英語でコミュニケーションが取れる」

こっちの方がよりニーズに合致しているような気がします。

ゴールが分かったら、その状態に至るまでにどのような要素が必要かを挙げていきます。

例えば、

  • 単語力
  • 文法力
  • 発音
  • 読解力
  • 表現力
  • 落ち着いて話す
  • 咄嗟に表現が出てくる(瞬発力)
  • 適応力、など

次にこれらのものをカテゴリごとに分類して、グループ化してみます。

そうすると、

1. インプットスキル・単語力
・文法力
2. アウトプットスキル・発音
・読解力
・表現力
3. 実経験・冷静さを保つ力
・表現の瞬発力
・適応力

このように分類できました。

コミュニケーションは瞬発的な判断力や状況に適応する能力が必要です。これらは「3. 実経験」を通してしか学ぶことができないので、留学後に身に付くスキルであると考えられます。

そのため、留学前にできる学習は「1. インプットスキル」か「2. アウトプットスキル」のいずれかであることが考えられます。

上記の内容に関して、英語学習に求められるスキルをサッカーに置き換えて考察した記事があります。もしよければ参考にしてください:

https://note.com/lukesolo/n/nc30d66628af2

前提としていくら国内で勉強しても準備万端になることはない

「海外で問題なく英語でコミュニケーションが取れる」という目標を達成するためには、

  1. インプットスキル
  2. アウトプットスキル
  3. 実経験

の3点が要素として重要になることが分かってきました。

すると、どうしても「3. 実経験」だけは国内で対策できない要素であることが分かります。

言語にはその土地に根付いたよく使われる表現や慣用句(コロケーション)があります。

同じ英語でも、オーストラリアで話されるそれと、ニューヨークで話されるそれは別物と考えて良いでしょう。

同じように、発話される英語の音やスピードも、その土地によって異なります。

英語試験で使われている音声は、(たとえ訛りがあったとしても)かなり聞き取りやすいように調整されています。

限りなく標準に近い英語を聞き慣れすぎていると、その標準からかけ離れている音はほとんど雑音のように聞こえてしまいます。

そのため、IELTSやTOEFLで高得点が出せる人たちでも、現地に行ったら相手の言っていることが分からなくて苦戦を強いられるのだと思います。

これは、仮にオンライン英会話で対策しても同じです。

オンライン英会話は前提として、相手は「話を聞く姿勢」があり「話を分かってもらおうという意図」を持ってコミュニケーションが成立しています。

しかし実際に現地で発生するコミュニケーションにおいて、相手は「話半分にあなたの話を聞き流し」、「既に分かっているという前提の元」会話を行います。

そのためオンライン英会話で問題なく伝わっていた英語が「Huh??」と聞き返されたり、何度聞いても相手の言っていることが分からないという現象が起こります。

「実経験は実際に海外に住み始めてから身に付くもの。最初の1ヶ月(長い人は2〜3ヶ月)は、ほとんど聞けない・喋れないが当たり前」

この前提を持っておくと、留学初日に出鼻をくじかれることがなくなると思います。

自己修正できる発音の習得

「じゃあ何をやっても意味ないの?」

そういう訳ではありません。

「1. インプットスキル」と「2. アウトプットスキル」であれば、国内でも十分効果的な対策ができます。

実経験を積むためには、これらのスキルを高いレベルで習得している必要があるので、苦手分野があれば徹底的に磨き上げていくことをオススメします。

効果的な対策として最もオススメなのは「自己修正できる発音の習得」です。

発音矯正は留学前にできる最も効果的な学習だと思います。なぜなら、発音ができるという状態はコミュニケーションが成立する機会が向上するからです。

留学中によくある失敗例として、何度話しても相手に伝わらず次第に心が折れていく。というようなことです。

「こんな簡単な表現すら伝わらないなんて…」

と自責の念にさいなまされ、自己肯定感が低下。(ただでさえ留学初期は、自分の能力が著しく低いという錯覚に悩まされます)

その結果、話せる機会があってもそこで一歩が踏み出せず「会話の総量」が相対的に減少してしまいます。

会話しなければ英語がうまくなる訳がないので、現地での生活がより一層嫌になってきます。

これを解決できるのが「自己修正できる発音の習得」です。

自己修正できるというのは、どの部分の音を変えれば相手に伝わるのかを振り返りで改善できる状態を指します。

そのためには、英語の音声性質を理論の観点から理解しておくことが大切になります。

発音というと [ r ] [ l ] など顕著な違いに意識が向きがちですが、重要なのは母音の再現です。

ネイティブは母音の性質にかなり敏感なので、日本語の感覚で発話すると伝わらないケースが起こりやすくなります。

例えば、私の友人がカフェで「バナナパンケーキ」を頼もうとした時、 “can I have banana pancakes?” といくら伝えてもウェイターは理解できなかったというような経験をしました。

あまりにも何度も “バナナパンケーキ!”と伝えたので、周りからも注目されとても恥ずかしかったようです。

こういった経験をした時に「なぜ音が伝わらなかったのか?」と、原因をきちんと振り返れると、その都度レベルアップの機会になります。

逆に振り返りができないと「同じ失敗はしたくない!」と思い、食べたいものとは別の「伝わりやすそうな」メニューを選んでしまったり。

“banana” の発音記号をみてみると [ bənǽnə ] と弱母音 ([ə])で構成されていることが分かります。

いくら強勢(ストレス)の位置を変えても、最初の音が日本語の「バ」である限り、ネイティブは “banana” を連想できなかったということです。

子どもの留学と比べると大人は身体で覚えていくということが中々できません。

そのため、頭で仕組みを理解し、理解した内容を身体に定着させることができる状態が基盤としてできていると、現地での学びのスピードが飛躍的に速くなります。

圧倒的な量の語彙をインプットする

次に国内でできる効果的な対策は、圧倒的な量の語彙をインプットすることです。

特にIELTSやTOEFLなどで学ぶような学術分野に関する語彙ではなく、日常的に使われる一般語彙のインプットが重要です。

海外で日常的に使われる英語の目安として「英検2級」があります。

もし語学留学やワーキングホリデーで海外に行かれる場合は、事前に英検2級までの語彙や表現をインプットしておくと、理解できる情報量が増え、現地に適応しやすくなります。

より高次のレベルを目指す場合は、「4000 Essential English Words」のシリーズで学習してみてはいかがでしょうか?

「4000 Essential English Words」は1~6までのレベルに分かれた英英の単語帳です。各レベルに約600語まとめてあり、レベルが上がるごとに難易度の高い語彙がまとめられています。

なぜこのシリーズをオススメするかというと、難しい単語をシンプルで簡単な語彙に置き換えて覚えることができるようになるからです。

英語の難易度が高くなると、それに応じて訳される日本語も難しくなります。中には「これ日本語でも使ったことないよ」というような語彙があることも。

これらを訳そうとしても日本語にはなりますが、頭の中に正しいイメージができないことが多いと思います。

しかし、簡単な単語で内容を覚えてしまえば、より瞬時に内容を解釈できるようになり理解の柔軟性が極めて高くなります。

ラッキーなことに “4000 Essential English Words” は、単語学習アプリ「Anki」の共用デッキに保存されているので自由にダウンロードすることができます。

まとめ

コミュニケーションはその都度変わるトピックや、話し手ごとの癖などに瞬発的に適応する力が求められます。

これらは実際に経験を積むことで次第に体に定着するスキルなので、留学前に身につけることは非常に困難です。(日本にいる海外出身の方は、日本人の話す英語に慣れているので比較的コミュニケーションが取り易いです)

そのため、「インプットスキル」か「アウトプットスキル」のいずれかで自分の弱点、理解度が足りていない部分を中心に補強していくことが国内における効果的な学習であると考えられます。

今回の記事でまとめた内容は、あくまで私の個人的な解釈です。その点、ご理解いただけますと幸いです!

SOLO English記事編集担当です。

一般的な知識や情報ではなく、これまでの指導経験や独自の考察を中心に英語学習に関するヒントになるようなことをまとめていきます。

よろしくお願いします。

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